Sikkui(シックイ)

漆喰(しっくい)とは、石灰と糊と苆を混ぜ合わせた混合物をさします。古き時代より、壁の上塗りなどに使用され、化学用語で言いかえると、水酸化カルシウム:Ca(OH)2を主成分とした建材なのです。

  私の故郷であり今も生活している町、大分県日田市には、月隈城の城下町「豆田通り」があります。現在も漆喰壁の民家が沢山ならんでおり、漆喰壁の修復や塗り換えの仕事をさせて頂います。

漆喰建築の代表例としては、九州で言うと熊本城があげられます。熊本城は、城壁に白くて立派な漆喰が塗られています。
(残念ながら月隈城の漆喰壁は残っていません…)

 漆喰壁が、こうやって昔から使われるのは、激しい雨風にさらされなければ、100年以上保つとされる優れた壁なのです。このように現代に置き換えると、魅力あふれた壁の素性を知ることは新鮮でかつ理由すら持たない時代に生まれた日本人として、無意識で生活するようになってしまったようで。僕の漆喰は、その理由すら問わなかった壁に、お客様が初めて「理由」を与えるという概念が入魂した、とても不思議な壁なのかなと感じます。

漆喰の基本反応

塗りたての壁は、一見数日で乾燥したように見えますが、実は多少の水分を保持したまま固まっています。その乾いたように見える壁は、常に化学反応を起こしながら、漆喰壁の表面から炭酸ガスを吸って、水分を外に出しながら、ゆっくりと、ゆっくりと硬化していきます。
漆喰壁は、1ミリ硬化するのに約3年かかるといわれてます。

漆喰の水和気硬性とは 

炭酸カルシウム→燃焼→水酸化カルシウム・・・・・・→炭酸カルシウム
火で加熱するとになり不安定になり、空気中の炭酸ガスを吸いながら炭酸カルシウムになり固まる

<人の肌に優しい調湿効果>
漆喰仕上げの壁は、調湿効果により湿気を吸放出する「かべ」です。
日本の四季やご自宅の環境に合わせて調湿します。
『壁と共に生きる』なんて言ってもらえると、僕は大変うれしいです!
そう考えてもらえると、多分、壁を大切にしてくれる優しい人間になれると僕は思います!

原田漆喰の目指す素材

 伝統をしっかり守って作る職人は、九州でも数軒になりました。
 スサに自家製の藁、九州の竹、本物の麻、糊は北海道産ワカメを配合し本物の漆喰ができあがります。
 独自の配合と技法と伝統を守ることで私なりの「しなーっ」てなる漆喰ができあがります。この漆喰は塗ったあとも出来上がりが良いです。それを作りだすのは素材の下処理が重要であることは周知の上で時間をかけ大切に保管し管理してます。
 再生可能な漆喰を作り出だすことは、先代の職人のレシピと技法を伝承するためです。この壁は、日本人が本来の壁という重要な機能をひとつづつ忘れた今日この頃、昔の生活の知恵を取り戻す、さらに重要性を思い起こすために大切なことなのです。昔の生活は今も大事に見直すべきなのです。

            原田 進

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